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塞翁失馬、焉知非福

語学とか釣りとか

ゴールドリスト法(Goldlist Method)による語彙の増強

最近、ゴールドリスト法(Goldlist Method)というものを知りました。間隔反復(間隔反復 - Wikipedia)などに代表される語彙の増強法の一つです。
面白そうなので、自分でも今試しているところです。この方法について日本語で書かれた記事が見つけられなかったので、自分で紹介ページを作ることにしました。

ゴールドリスト法とは

ゴールドリスト法は、David Jamesさんという英国の会計士の方が考案した語彙の増強法です。この方法の特徴は、単語を意識的に頭に詰め込むのではなく、自然なやり方で長期記憶を形成することを目指している点です。単語を紙に書くことを純粋に楽しみ、この体験を通じて単語を脳に染み込ませることができます。ちょうど赤ん坊が周囲の大人の会話から自然に言葉を覚えるのと同じように。

具体的な手順

1.ノートとペンを用意する。

ノートは40行程度書ける大きさのものにします。最初から線が引いてあるものが見つからなければ、無地の物でも構いません。ノートとペンは書き心地の良いものを用意しましょう。

2.覚えたい単語25個を縦に書き並べる。

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ノートの見開きの左ページに、単語を25個、上から縦に並べて書きます。単語の横に、その単語の意味や性、語法など自分が覚えたい関連事項も書きます。25個の単語の上に、その一覧を作った日付も記載しておきます。

3.2~8週間後、各単語をどれだけ覚えているかを確認し、比較的良く覚えている30%を選び出す。

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25個の単語の一覧を作った2~8週間後、再びその単語の一覧を見て、各単語を自分がどれだけ覚えているか確認します。心理学者のHermann Ebbinghaus(ヘルマン・エビングハウス - Wikipedia)によれば、2週間前に作ったこの一覧の内、30%程度はまだ覚えているはずです。その30%、つまり8個の単語を選び出します。選び出す方法は、単純に単語テストのようなものを行っても良いですし、落ち着いてじっくり単語の一覧を眺め、どの単語が良く記憶に残っているかを考えても良いです。

4.単語の一覧を“蒸留”する。

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良く記憶に残っている30%の単語を選んだら、残りの70%、つまり比較的記憶に残っていない17個の単語を新たな一覧として抜き出します。最初に一覧を作ったときと同様に、抜き出した17個の単語をノートの見開きの右ページに縦に書きならべます。日付も最初と同様に記載します。このように、比較的覚えにくい単語を抜き出していく作業をDavidさんは“蒸留 distillation”と呼んでいます。自分にとって覚えづらい単語の濃度が上がっていくので、ちょうどウイスキーを作る工程で麦汁を蒸留して徐々に濃度を上げていくのに似ています。

5.この“蒸留”を2~8週間間隔でさらに2度行い、単語の数を25から9まで減らす。

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単語の一覧を“蒸留”により25から17まで減らしたら、2~8週間後に再び”蒸留”して12まで減らし、その12個の単語をノートの見開きの右ページの下側に書き並べます。その2~8週間後には9まで減らし、その9個の単語をノートの見開き左ページの下側に書き並べます。

6.3度の“蒸留”を経た単語の一覧を4つ合わせて、新たな単語一覧とする。f:id:Galenus:20141213213918p:plain

3度の“蒸留”を経た単語一覧には9つの単語が含まれています。この一覧を4つ合わせた36個の単語をさらに“蒸留”し、比較的記憶に残っていない25個の単語を選びます。この25個を新たな一覧とし、別のノートの見開き左ページの上側に書き並べます。この一覧に対して、これまで同様に2~8週間ごとに“蒸留”を繰り返していきます。

7.以上を繰り返す。

後はここまでの手順を繰り返していくだけです。自分にとって覚えづらい単語は2~8週間ごとに触れることになるので、無理に覚えこもうとしなくても自然に長期記憶に組み込まれていきます。このとき大切なのは、2週間ごとに単語に触れる際、頑張って覚えようとするのではなく、その単語をノートに書くという行為をただ楽しもうとすることです。

ゴールドリスト法を試してみての感想

私はまだ3日程度しかこの方法を試していないので、その効果についてはまだ何とも言えません。しばらく続けてみて、また感想でも書いてみたいと思います。ただ、覚えたい単語を落ち着いた気分でノートにペンで書くという作業はなかなか心地よいものです。この心地よさだけでも、ゴールドリスト法をしばらく続けてみようかという気になります。ゴールドリスト法とは別の、間隔反復を実装したソフトウェアAnki(Anki - powerful, intelligent flashcards)は、約1年間程度使っており、その効果を実感しています。その内、この2つの方法を自分なりに比較してみたいとも思います。

参考URL

作成に際し、下記のページを参考にしました。